ほとんどの少女娼婦たちは、ドクター・モーリヤックの鎮座する医務室に行くのを嫌がります。まして乱雑に散らかった部屋の奥、もうひとつドアを隔てた診察室ならなおのことです。明るく誰にでも素直なオーロールですら、モーリヤック氏の染みの浮かんだ汚い額の下に鋭く光る目に射すくめられると、身体が萎縮して言葉も出なくなってしまうのです。そしてこの部屋に入ればかならず受けなければならない苦行のことを考えるとどんな陽気な娘でも気が重くなってしまうのです。
週に一度の健康診断の番が回ってきたオーロールは、診察着に着替えると、先生のお言いつけ通りベッドの上に股をひらいて横たわりました。
「相変わらずおりものの多い娘じゃなお前は」オーロールの股間を一瞥するとモーリヤック先生は汚いものを見るようにそう吐き捨てました。もちろんオーロールが顔を真っ赤にして口ごもったのは言うまでもありません。
そしてモーリヤック氏の不機嫌は、体温を計ろうと体温計をオーロールの肛門に差し込もうとした時に頂点に達しました。
「あれほど診察台に上がる前にはうんこを済まして来いといってあるだろうが!この阿呆娘め!」
オーロールは身体をびくっと震わせると目に涙を浮かべ(同時に小便もすこしもらしてしまいました)、蚊の鳴くような声でごめんなさいとあやまりました。モーリヤックはぶつくさ呟きながら灌水器を探しに部屋を出て行きました。